HOKUSAI展
2014年は⦅北斎漫画⦆の初編が出版されて200周年にあたり、北斎を海外ではじめて認めたパリで、葛飾北斎の版画や肉筆画およそ700点を、2期にわたって展示したものである。詳細はウェヴ・サイト、http://www.jpf.go.jp/j/culture/exhibit/oversea/1405/05-01.h/ を参照されたい。
19世紀半ばにパリで流行した日本趣味(ジャポニスム)は、現在の私たちの想像をはるかにこえるものだった。ゴンクール兄弟は、1851年に刊行した『千八百某年』で、日本の美術品に対する並々ならぬ関心を披歴しているが、その後1856年に版画家フェリックス・ブラックモンが、北斎漫画を偶然の機会から発見するにおよんで、パリの画家や文人たちの間に日本美術への関心が一挙にひろまった。
ブラックモンと北斎漫画との出会いは、一説には、彼が印刷屋ドラートルの仕事場をたまたま訪れたとき、その片隅にほってあった赤表紙に画帳を目にしたことにはじまると言われる。この画帳は船積みされてきた日本の陶器の荷物の詰め物にされていたのだという。こうして北斎をはじめとする日本の浮世絵が、長い伝統をもつ西欧絵画に大きな影響をもたらすことになった。
「HOKUSAI」展は2015年1月18日まで。正月の休みにパリを訪れる人は必見である。