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ムッシュKの日々の便り

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日本の評判

 成田-パリ間のAFはJALとの共同運航便で、客室乗務員(いまはキャビン・アテンダントと呼ぶそうです)が14名乗務していました。普段の状態ですと、4、5名は、パリあるいはロンドンをベースにした外国人クルーが乗っているのですが、今回はただ1人のみでした。そこで日本人のメンバーのお一人に聞いてみますと、本来4名の外国人クルーが乗務するはずだったのだが、3名は乗らず、その分を日本人クルーがカヴァーしたということでした。理由は言いませんでしたが、パリ発成田行きの便を敬遠したようです。彼女が言うには福島の原発の事故の後しばらくは、ドイツのルフトハンザ航空などは成田行きの便をすべて名古屋や関西空港行に変更したということでした。
 旅行の前にフランス大使館の領事部の知人を訪ねる用事があったのですが、彼曰く、在東京フランス大使館でも、領事業務を行う館員にたいして、「希望するならば東京を離れて、神戸で勤務してもよい」という通達が出され、半数を超えるフランス人スタッフが神戸に移ったとのことでした。それでも1カ月後には、ほとんどの人たちが東京に戻ってきたそうです。



 パリからトゥールーズの機内ではフランス人の男性と席が隣になりました。日本人だと知ると、すぐに今回の大震災の様子を聞いてきました。彼はトゥールーズに住んでいるサラリーマンで、パリで仕事をした帰りとのことでした。フランスでも東日本大震災、とくに大津波のことは連日テレビの映像で詳しく伝えられ、福島原子力発電所の事故についても詳しく報道されて、こちらでも非常に高い関心を集めています。
 地震の当日は、東京でも経験したことがない揺れだったこと、福島の事故はいまだに収束しておらず、綱渡りの状況にあることなどを改めて話しますと、「フランスの新聞やテレビでも、災害後に示された日本の人たちの行動は称賛されているが、政府と東電の評判は散々だ」と語っていました。フランスのマスコミは東京電力のことを、TEPCO(テプコ)と略称で呼びますが、「テプコの隠蔽体質はどうしようもない。しかも日本政府は、事故の対応をそのテプコにまかせっきりで、収束にむかって行動を起こさないのはどうしたわけだ。その一方で、被災した人たちが示した勇気と落ち着きには心から感動する。とくに若い人たちがお年寄りを救うために、みずからが犠牲になったケースが少なくなかったと報じられたが、フランスでは考えられないことだ。いまのフランスで同じような状況が出現したら、皆がわれ先に逃げ出し、お年寄りたちが犠牲になるのは目に見えている。」と、彼は一気にまくしたてました。
 こちらに来て、ほかの人たち数人とも話しましたが、その多くが同じような感想を抱いています。以前MLに書きましたが、東電(TEPCO)が今回の事故の前に、点検でのチェック漏れを隠していたのを最初に指摘したのはフランスの新聞「ルモンド」でした。フランスのマスコミは、勇気ある日本人となすすべを知らない政府・東電という論調に固まりつつあります。
 FUKUSIMAはいまやHIROSIMA、NAGASAKIと並んで、よく知られた地名となりました。原発はフランスの輸出の目玉の一つですし、一昨日もサルコジ大統領はエリゼ宮での記者会見で、フランスは今後も原子力発電を維持すると力説しましたが、その一方で、フランス人たちの中には、チェルノブイリ原発事故の記憶が刻み込まれています。
 フランスは来年大統領選挙が行われます。原発依存の是非が争点の一つになることは間違いありません。
by monsieurk | 2011-07-01 01:40 | フランス(社会・政治)
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フランスのこと、本のこと、etc. 思い付くままに。


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