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ムッシュKの日々の便り

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PACS・結婚のもう一つの形

 前回は教会での結婚についてお話ししましたが、フランスでの婚姻は法律的には市役所に書類を提出し、それが受理されれば成立します。ですから結婚式は、まずは当事者の2人が市役所に出向き、市長や助役(彼らは国旗と同じ三色の襷を肩からかけています)の前で結婚の誓いをすればそれで完了です。着飾った親類・縁者の祝福をうけ、そのあとは大抵近くのレストランや実家で祝宴を催すという段取りです。
 ところがこうした婚姻ではない、もう一つの結婚の形がフランスでは急増しています。それは1999年11月に施行されたPACS(Pacte Civile de Solidarité 市民連帯契約)に基づく事実婚です。フランス民法第515-1条には、「同性または異性の成人2名による共同生活を結ぶために締結される契約」と定められていて、同性または異性のカップルが契約書を自由につくって、それを裁判所に提出して公認されれば、晴れて共同生活を営めることになりました。しかも2005年の改正によって、税制上の優遇措置が婚姻とほぼ同じように受けられるようになりましたから、その後はこの形の事実婚が急速に増えています。



 税金についていえば、二人で収入の申告ができ、それを頭数で割りますから、独身者が確定申告をするよりも納税額が少なくてすむケースも少なくありません。この形の事実婚が増えた理由は、フランスでは離婚するのに必ず弁護士を立てて調停をする必要があり、費用も時間も日本に比べて格段にかかるからです。結婚のときから離婚のことを考えるというわけでもないのでしょうが、PACSでは、契約を破棄するには両者の同意は必要ではなく、一方からの通告のみで破棄(離婚に相当)は成立します。
 私たちの縁者や友人のなかにもこの制度のもとで共同生活をおくっているカップルは幾組もいます。そうした二人の間の子どもも、婚姻関係から生まれた子どもと法律的には何ら違いのない待遇をうけられます。
 実際、2007年以後は、婚姻関係にある両親から生まれた子どもよりも、PACSのもと共同生活や同棲関係にあるカップルから生まれた子どもの数が多くなったという統計があります。
 ただしカトリック教会が、PACSによって契約した二人を夫婦として認めて祝福することは、絶対にありません。
by monsieurk | 2011-07-04 19:19 | フランス(社会・政治)
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