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ムッシュKの日々の便り

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原発報道をどうみるか

 フランスの家で定期購読している週刊誌「Courrier international(国際通信)」(一部3.50ユーロ)は、年84ユーロの購読料で家に届けてくれます。独自取材のほかに、各国の主だった新聞から主要な記事をピック・アップし、フランス語に訳して掲載しているので世界の動きを知るには重宝な雑誌です。
 そのNo.1130、6月28日~7月4日号の「アジア」の欄に、「東京新聞」の「原子力への回帰は不可避か」という記事が、写真でご覧いただくように、No-rio(Aomori)の挿絵付きで載っています。
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 Courrier誌がつけたリードでは、「政府は〔日本列島〕の西部にある福井の二基の原子炉を再稼働する決定をした。だが原子炉の安全性についてさまざまな疑問があり、反原発の論陣を張る東京の日刊紙は疑義を呈している」として、「東京新聞」の記事をそのまま紹介しています。
 フランス語訳された記事は省略しますが、Courrier誌が日本の主要紙の報道姿勢をどう見ているか、大変興味深いものです。「メディアにより影をひそめる“反対”」と題したコラムでは、こう述べられています。

 「福島の事故以来、反原発の動きは下火になってはいない。反原発デモとともに、原子力エネルギーに関する国民投票を求める署名が行われた。これには32万人の署名が集まったが、6月18日に開かれた東京都議会では否決された。その3日前には首相官邸前に、凡そ1万1000人の人たちが大飯原発の再稼働に反対して集まった。それにもかかわらず日本の主要新聞は、これをほとんど扱わなかった。ただ原子力エネルギーからの段階的撤退を主張する中道左派の「東京新聞」は、読者欄で、この件について、“千通を超す読者からの手紙が、これを扱わなかったわれわれの姿勢について説明を求めている。記事を載せなかったのは、取材記者を送らなかったわれわれの編集ミスで、決して自主規制をしたわけでない。現場に記者がいなかったのは誠に遺憾である”と回答した。
 一方で新聞各紙は、オームによる東京の地下鉄でのサリン・ガスの攻撃(13人死亡)から17年目の6月17日、最後の逃亡犯が逮捕されたことをセンセーショナルに扱い、そのために大飯原発再稼働問題は「影をひそめた」形となった。新聞各紙のこうした扱いは社会の各方面でさまざまな反応を呼び起こしている。」

 Courrier誌が、福島の原発事故以来、政府や東電(TEPCO)の対応を鋭く批判してきた「東京新聞」、とくにその「特報部」の記事を高く評価していることは注目されます。私も事故以後、「東京新聞」の購読をはじめた一人です。ただしCourrier internationalが指摘しているほど、日本の社会は原発をめぐる新聞の報道姿勢について敏感であり続けているでしょうか。・・・
 Courrier internationalはwww.courrierinternational.comで見出しなどをみることができます。
by monsieurk | 2012-07-04 12:23 | フランス(社会・政治)
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フランスのこと、本のこと、etc. 思い付くままに。


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