詩集「アドニード」Ⅵ
見張りの夜警係の女が死んだ
そして夜警の男もまた
夜に死んだ。
夢をみている子どもたちは
彼に息を吹きかけた。
注:前日(veille)、夜警(veilleuse)、見張り(surveillant)が掛詞になっている。
☆
神様は望みのものを手で作るが
悪魔は尻尾でもっとうまく作る
神様が雌牛を作るとき
悪魔は闘牛を作る
神様が悪い頭を作るとき
悪魔は美しい心を作る
☆
海のなかではお互いが見えない。
☆
記憶の穴のなかに
人は隠れる
山のなかでは
人は迷う。
テクストのなかの隠語
エヴァは太陽を讃えた
そして太陽はエヴァを金色に染めた
なぜかと言えば
快楽の言葉では
光り輝くとは
楽しむという意味で
それを言っているのだ。
☆
不幸のこの時に
行われたすべての反射で
鏡は割れた。(続)